折りたたみ式保冷ボックス「Zパック」には、コンパクトな30L、一般家庭でも使いやすい55Lから、大量輸送向けの300Lまで、さまざまなサイズがあります。
「日々の買い物や車載用に、どの容量がちょうどよいか分からない」
「どのサイズが自社の配送に合うのか分からない」
「内容物が入るか、車両や台車に積載できるか確認したい」
「作業者の負担や保管スペースを減らしたい」 といったご相談も少なくありません。
このページでは、Zパック各サイズの寸法・重量・主な用途を比較し、家庭用から業務配送まで、製品を選ぶ際のポイントを製造メーカーである株式会社三洋が解説します。
Zパックとは
Zパックは、30mm厚のXPS(押出法ポリスチレンフォーム)を断熱材として使用した、折りたたみ式の保冷・保温ボックスです。
使用時は箱型に組み立て、未使用時や回収時には薄く折りたためます。買い物、車載、食品配送、店舗間輸送、イベント、ケータリング、飲料輸送など、家庭用から業務用まで幅広い用途で使用されています。
Zパック自体に冷却機能はありません。あらかじめ冷やした内容物と、目的の温度帯に適した保冷剤・蓄冷剤を組み合わせることで、輸送中や一時保管中の温度上昇を抑えます。
Zパックの主な特徴
- 30mm厚のXPS断熱材を使用
- 未使用時は薄く折りたたみ可能
- 同容量の一般的なハードボックスと比べて軽量
- 買い物・車載から食品配送・店舗間輸送まで幅広く対応
- 破損箇所や状態によっては修理対応が可能
- 規格品にないサイズはオーダーメイド製作も可能
Zパックの断熱構造・保冷性能・試験条件などは、「業務用大型保冷ボックス Zパック」の解説記事で詳しくご紹介しています。本記事ではサイズの違いと使い分けを中心に説明します。
Zパック全サイズ比較表
| 商品 | 寸法 | 重量 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| Zパック30L | 外寸:W600×D370×H260mm 内寸:W530×D300×H190mm 折畳時:W600×D370×H130mm | 約1.7kg | 食品宅配、小口配送、高級弁当、配送先・温度帯別の仕分け |
| Zパック55L | 外寸:W610×D380×H420mm 内寸:W540×D310×H350mm 折畳時:W610×D420×H180mm | 約2.3kg | 日々の買い物、まとめ買い、車載保冷、キャンプ・レジャー、少量の食品配送 |
| Zパック75L | 外寸:W600×D370×H540mm 内寸:W530×D300×H470mm 折畳時:W600×D180×H540mm | 約2.7kg | 食品配送、店舗間輸送、冷蔵・冷凍品の車載配送 |
| Zパック90L | 外寸:W670×D370×H570mm 内寸:W600×D300×H500mm 折畳時:W670×D180×H570mm | 約2.75kg | 弁当、食材、飲料、75Lでは収まりにくい商品の輸送 |
| Zパック150L | 外寸:W670×D570×H570mm 内寸:W600×D500×H500mm 折畳時:W670×D180×H570mm | 約4.15kg | ケータリング、イベント、移動販売、中量の食品・飲料輸送 |
| Zパック240L | 外寸:W870×D570×H670mm 内寸:W800×D500×H600mm 折畳時:W870×D180×H670mm | 約5.45kg | 番重、イベント食材、飲料の大量輸送、一時保管 |
| ビール樽用 Zパック290L |
外寸:W870×D570×H800mm 内寸:W800×D500×H730mm 折畳時:W870×D180×H800mm | 約6.0kg | ビール樽、クラフトビール、屋外イベント、移動販売 |
| Zパック300L | 外寸:W1070×D570×H670mm 内寸:W1000×D500×H600mm 折畳時:W1070×D200×H670mm | 約6.15kg | 飲料・食品・氷の大量輸送、拠点間輸送、配送回数の削減 |
| 軽ワゴン用 保冷ボックス 約805L |
外寸:W1100×D920×H990mm 内寸:W1030×D850×H920mm 折畳時:W1100×D920×H250mm | 約14kg | 軽ワゴンへの車載、食品宅配、ルート配送、大量積載 |
※寸法はW=幅、D=奥行、H=高さを表します。
※内容物や保冷剤を入れた際の総重量、車両・台車・ドーリーの積載可能重量もあわせてご確認ください。
※各サイズ・重量は目安です。仕様変更や製造ロットにより差が生じる場合があります。折りたたみ時の寸法も含め、購入前に最新の製品仕様をご確認ください。
用途別に見るZパックの選び方
Zパック30L|作業者負担と積載効率を考えた小型モデル
Zパック30Lは、食品宅配や小口配送、配送先・温度帯別の仕分けに適したコンパクトなモデルです。
従来は75L前後の保冷ボックスを使用する現場が多くありましたが、内容物を入れた状態では重量が大きくなり、積み下ろしを行う作業者の負担になりやすいという課題がありました。そのため、1箱当たりの重量を抑えやすい30Lへの小型化が進んでいます。
ドーリーとトラック荷室への積載を想定
30Lは、ドーリー上に縦2個×横2個の合計4個を1段として配置し、7~8段程度積み重ねて運搬することを想定したサイズです。
ボックスを規則的に積載しやすいため、配送拠点内での移動やトラック荷室のスペースを効率的に活用できます。なお、積載段数は設計時の配置想定の一例であり、安全な最大段積み数を保証するものではありません。実際の積載条件や荷崩れ防止措置をご確認ください。
毎日の組み立て・折りたたみ作業を短縮
外装内部には、折りたたむ位置を案内する芯材を入れています。折りたたむ方向が分かりやすく、慣れれば数秒程度で組み立てや収納ができます。
食品宅配のほか、高級弁当の配送、冷蔵・冷凍商品の小口配送、試作品や食品サンプルの運搬などにも採用されています。
Zパック55L|一般家庭で迷ったらおすすめの使いやすいサイズ
Zパック55Lは、日々の買い物、まとめ買い、車載保冷、キャンプ・レジャーなど、一般家庭で使いやすい容量です。30Lでは少し足りず、75Lでは大きいと感じる場合に選びやすい中間サイズです。
買い物や車載で扱いやすい容量
収納目安は、500mlペットボトルで約48本、2Lペットボトルで約15本です。実際の収納量は、商品の形状や保冷剤を入れるスペースによって異なります。
高さを抑えた形状で、日常の買い物後の保冷や、冷凍食品・飲料の持ち帰り、車でのレジャーなど幅広い場面で使いやすいサイズです。
家庭用で迷ったら55Lをひとつの目安に
一般家庭で幅広く使う場合は、容量と扱いやすさのバランスから55Lを基準に検討するのがおすすめです。少量の保冷や持ち運びやすさを優先する場合は30L、食品や飲料をより多くまとめて運ぶ場合は75L・90Lもご検討ください。
Zパック75L|食品配送の標準サイズとして使われてきたモデル
Zパック75Lは、食品宅配、冷凍・冷蔵品の拠点間輸送、店舗間配送などで長く使用されてきた、シリーズの中心的なサイズです。
2000年に食品宅配の保冷輸送用として初めて採用されて以降、内容物をまとめて収納できる容量と、配送現場での扱いやすさのバランスから、さまざまな食品物流の現場で使用されています。
容量と取り回しやすさのバランス
55Lよりも多くの商品を1箱にまとめられる一方、240Lや300Lなどの大型タイプほど設置スペースを必要としません。
複数の小型ボックスに分けるより、一定量の商品をまとめて運びたい場合や、使用するボックス数を抑えたい場合に適しています。
積載と空箱回収まで考えた設計
75Lは、ドーリー上へ2列×3段で積載する運用を想定したサイズです。使用後は奥行約180mmまで折りたためるため、配送先からの空箱回収や倉庫での保管スペースを抑えられます。
少量で持ち運びやすさを優先する場合は30L、一般家庭の買い物や車載保冷を中心に使う場合は55L、食品配送などで一定量をまとめて運ぶ場合は75Lというように、配送量や使用シーンに合わせて選定します。
75Lには、段積み時のズレを抑える面ファスナーを備えた仕様の導入実績もあります。台車で複数段に積載する際は、面ファスナーの有無を含む現行仕様と荷崩れ防止方法を事前にご確認ください。
Zパック90L|弁当や食材をまとめやすい縦型モデル
Zパック90Lは、75Lでは容量や横幅が少し不足する場合に適しています。弁当、食品トレー、葉物野菜、冷凍食品、飲料などの配送に使用されています。
内寸高さが500mmある縦型のため、容量を確保しやすい一方、底の商品を頻繁に取り出す運用では出し入れしにくい場合があります。商品の取り出し順や容器の形状も確認して選定してください。
Zパック150L|イベントやケータリングに使いやすい中型モデル
Zパック150Lは、食材や飲料、氷などをまとめて運ぶイベント、ケータリング、移動販売、中規模の食品配送に適しています。
300Lでは大きすぎる場合や、商品を用途・配送先別に複数のボックスへ分けたい場合にも選びやすいサイズです。内容物が少ない場合は庫内の隙間を減らし、上部や側面にも保冷剤を配置してください。
Zパック240L|番重やイベント食材をまとめて運ぶ大型モデル
Zパック240Lは、イベント会場への食材搬入、テント販売、ケータリング、食品工場から店舗への配送などに適しています。
番重や食品容器を収納する場合は、容器本体だけでなく、ふた・持ち手・保冷剤を含めた寸法をご確認ください。使用後は折りたためるため、イベント終了後の持ち帰りや保管時の容積を抑えられます。
ビール樽用Zパック290L|カプラーを付けたまま収納しやすい専用モデル
ビール樽用Zパック290Lは、樽にカプラーを取り付けた状態でも収納しやすいよう、内寸高さを730mm確保しています。
クラフトビールイベント、納涼祭、屋外フェス、移動販売などでのビール樽の一時保冷に適しています。外寸高さは800mmあるため、車両の荷室高さやバックドアの開口寸法もご確認ください。
Zパック300L|飲料・食品・氷の大量輸送に
Zパック300Lは、食品や飲料を一度に大量輸送したい場合や、イベント会場で氷や飲料をまとめて保管したい場合に適しています。
収納目安は、350ml缶で約405本、2Lペットボトルで約75本です。実際の収納量は、商品の形状や保冷剤を入れるスペースによって異なります。
内容物を満載すると重量が大きくなるため、台車やパレットに載せた状態での運用がおすすめです。配送先ごとに内容物をまとめるなど、開閉回数を減らすことも保冷につながります。
軽ワゴン用保冷ボックス 約805L|荷室を大型保冷スペースとして活用
軽ワゴン用保冷ボックスは、軽ワゴン車の荷室へ設置し、車内を大容量の保冷スペースとして使用する製品です。
食品宅配、ルート配送、店舗間輸送、イベント搬入など、車両単位で多くの商品を運ぶ場合に適しています。庫内上部には蓄冷剤ネットがあり、冷気が下へ流れるように蓄冷剤を配置できます。
未使用時は高さ約250mmまで折りたためます。導入前には、荷室寸法、バックドアの開口寸法、車両の最大積載量をご確認ください。
実際の導入事例|用途と現場の課題から選ぶ
Zパックは容量だけで選ばれているわけではありません。どのような荷物を、どの環境で、何時間保冷したいのかに応じて、適切なサイズと蓄冷剤の組み合わせを検討することが重要です。ここでは旧記事でご紹介していた実際のご相談を、用途ごとに整理しました。
事例1|コーヒーショップ:屋外イベントで使用する氷の保管
ご相談内容:屋外イベントで提供する飲料用の氷を、一日を通して保管したい。
使用方法:75L・90Lサイズの導入例として、蓄冷剤を敷いた上に氷を置き、一時保管する方法をご紹介しています。
利用者様からは、イベントで丸一日使用する際にも役立っているとのお声をいただきました。氷や水分があるものを入れる際は、漏水を防ぐため防水性のある袋・容器を併用してください。
事例2|金銀糸製造メーカー:休日の製品温度上昇を抑えたい
ご相談内容:平日は空調で25℃前後に管理している倉庫が、休日は夏場40℃近くになることがあり、30℃を超えると品質に影響する製品を保管したい。
三洋からの提案:Zパック75Lと蓄冷剤を組み合わせる場合に必要となる蓄冷剤数量を机上計算で試算し、導入をご提案しました。
この事例は、食品以外の工業製品でも、必要な温度条件を整理することでZパックを活用できる例です。なお、机上計算は実際の温度維持を保証するものではありません。重要な製品の保管では事前に実環境での検証が必要です。
事例3|食品卸会社:夜間の食材配送と留め置き
ご相談内容:ドライバーが店舗内の冷蔵・冷凍設備まで食材を運び入れる作業に時間がかかり、配送業務の負担になっていた。
三洋からの提案:配送後に保冷ボックスを一時的に置き、次回配送時に回収する運用を検討。必要な保冷時間をヒアリングし、蓄冷剤の数量を試算してご提案しました。
ドライバーの店舗内作業を減らし、配送効率を改善するための活用例です。ただし、夜間や無人での留め置きを実施する場合は、食品衛生上の温度管理や設置場所の管理条件を十分に確認する必要があります。
事例4|イベント運営会社:大量の食品・飲料を一時保管
150L・240L・300Lなどの大型サイズでは、冷凍設備のないイベント会場でのアイスの一時保管、食品卸会社による油脂類の保冷輸送、イベント会場への飲料・食材搬入などに導入された事例があります。
また、塗料・充填剤・コーキング材など、温度管理を必要とする土木資材の保管用途で選ばれた例もあります。
事例5|物流会社:常温品と要冷品の混載配送
ご相談内容:常温品と、冷蔵・冷凍に配慮が必要な荷物を同じ車両で配送したい。
三洋からの提案:車両全体を冷却するのではなく、保冷が必要な商品をZパックと蓄冷剤で仕分ける方法をご提案しました。
荷物の種類ごとに保冷ボックスを分けることで、庫内の開閉回数や配送先での仕分け作業を抑えることも期待できます。必要温度を維持できるかは、必ず実際の配送条件に合わせて確認してください。
冷却ユニット付き300Lタイプとの違い
ここまでの通常型Zパックは断熱容器であり、保冷剤・蓄冷剤の併用によって温度上昇を抑える製品です。
一方、開閉頻度が多い現場や冷却装置による温度管理を希望する方向けに、冷却ユニット付きの特殊仕様「冷却ユニット付 Cool Box」もご用意しています。
- 冷却ユニットにより、保冷剤を使用しない冷却運転に対応
- 製品仕様上の温度設定は冷凍-20℃、冷蔵+5℃
- アクリルパネルを通して、ふたを開かず庫内を確認可能
- 左右に分かれた上ぶたを採用
- 専用アダプターによるAC100V運転に対応
ご注意:上記は温度設定値であり、すべての環境下で設定温度を維持できる保証ではありません。冷却機能の利用には電源が必要で、使用可能な外気温・消費電力・運転時間などの条件があります。受注生産品のため仕様・納期はお問い合わせください。
Zパックを選ぶときの5つのポイント
1.内容物の外寸と数量
容量だけでなく、実際に収納する箱、トレー、番重、容器の外寸が、Zパックの内寸に収まるか確認してください。
2.保冷剤を入れるスペース
内容物だけで庫内を満杯にせず、上部や側面に保冷剤・蓄冷剤を配置するスペースも確保してください。
3.車両・台車への積載方法
ボックスの外寸が、車両の荷室、台車、ドーリー、パレット、保管棚に収まるか確認します。複数台を使用する場合は、何列・何段で積載するかも重要です。
4.内容物を入れた状態の総重量
Zパック本体は軽量ですが、食品や飲料を入れると総重量は大きくなります。大型タイプでは、台車・ドーリー・パレットを使用する前提でご検討ください。
5.折りたたみ後の保管・回収方法
使用後の保管場所、配送先からの回収方法、空箱を何台まとめられるかまで確認すると、運用全体を効率化できます。
Zパックの保冷力を高める使い方
どのサイズでも、保冷剤を適切に使い、開閉を減らすことが重要です。具体的な保冷性能の試験結果は、Zパックの構造と保冷試験を紹介する記事をご確認ください。
- 内容物をあらかじめ目的の温度まで冷やす
- 保冷剤・蓄冷剤を十分に凍結させる
- 庫内の隙間を減らす
- 保冷剤を内容物の上部にも配置する
- 直射日光や高温になった車内を避ける
- ふたの開閉回数を減らす
- 使用後は水分や汚れを拭き取り、十分に乾燥させる
Zパックに関するよくある質問
家庭用で迷った場合はどのサイズがおすすめですか?
日々の買い物、まとめ買い、車載保冷、キャンプ・レジャーなど、一般家庭で幅広く使う場合は55Lをひとつの目安としておすすめします。少量の保冷や持ち運びやすさを優先する場合は30L、より多くの食品や飲料をまとめて運ぶ場合は75L・90Lをご検討ください。
Zパックだけで中身を冷やせますか?
いいえ。Zパックは外部からの熱の侵入を抑える断熱容器です。あらかじめ冷やした内容物と、用途に合った保冷剤・蓄冷剤を組み合わせて使用してください。
何時間保冷できますか?
保冷時間は、外気温、内容物の温度・量、保冷剤の種類・量、開閉回数、日射条件などによって変わるため、一律には断定できません。
冷凍品にも使用できますか?
使用できます。必要な温度帯に応じて、マイナス温度帯用の蓄冷剤などを選定してください。
氷や水を直接入れられますか?
水漏れや製品内部への水分侵入を防ぐため、氷や液体は防水性のある袋や容器に入れて使用してください。
使用後は折りたためますか?
はい。未使用時や回収時には薄く折りたためます。折りたたみ時の寸法は、上記の比較表をご確認ください。
どのサイズを選べばよいか相談できますか?
はい。収納する内容物の寸法・数量、必要温度、使用時間、車両や台車の寸法、1回の配送量などを確認し、適したサイズをご提案します。
用途に合ったZパック選びをサポートします
Zパックは、容量だけでなく、内容物の寸法、保冷剤のスペース、作業者の負担、車両への積載方法、使用後の回収方法まで考慮して選ぶことが重要です。
一般家庭で買い物や車載保冷に幅広く使う場合は55Lをひとつの目安にし、業務用途では内容物や配送量、積載方法に合わせて30L・75L・90L・150L以上のサイズをご検討ください。
株式会社三洋では、保冷ボックスのサイズだけでなく、使用する保冷剤・蓄冷剤や、実際の配送方法も含めてご提案しています。規格サイズが合わない場合は、オーダーメイドのご相談にも対応しています。